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ブロッカーズのSY3KRのレビュー・感想・評価

ブロッカーズ(2018年製作の映画)
3.5
『ピッチ・パーフェクト』シリーズの脚本を務めてきたケイ・キャノンが、初めて監督を手がけるコメディ。過去に日本のネットフリックスで配信していたが、現在はすでに版権切れでアメリカ版を経由する以外に見る方法がない。

プロム・ナイトで馬鹿騒ぎするティーンエイジャーを描いたドラマは数えきれないほどあるが、それに水を挿そうとする親が子どもたち以上に大バカ野郎なのが斬新で笑える。下品で汚いシーンも多々あり、これを無修正で堂々と公開するあたりが流石アメリカといった感じだ。

ブロンド美人のジュリー、インド系の血を引くケイラ、レズビアンであることを隠しているサム…と3人のバランスの取り方には過度な配慮を感じる面もあるが、くだらないギャグにどっぷり浸かっているうち、そんな雑念もどこかへ吹き飛んでしまうだろう。

妄想スイッチが入ると途端に想いが溢れてしゃべり続けるリサと、脳筋なミッチェルの掛け合いは特に破天荒で、そこに空気の読めないハンターが加わると3人の勢いは止まることを知らない。処女喪失を食い止めるというテーマ自体は非常に不謹慎で時代遅れだし、演出によっては炎上しかねない。その違和感を、最終的には「親子愛」という普遍の命題でそつなくまとめたのも見事だ。

あまりに刺激が強過ぎて一般ユーザーには非常にウケが悪かったものの、ライトに楽しめる娯楽作品としては十分過ぎるだろう。

⚫︎トマトメーター
・批評家支持率:82%
・観客支持率 :51%
「本作はティーン向けセックス・コメディの男女を入れ替えたもので、力強い演技・スマートに笑える脚本、そして驚くほど啓蒙された視点を備えている。」
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