サンヨンイチ

アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニングのサンヨンイチのレビュー・感想・評価

3.9
ネガティブでぽっちゃりなレネーは
自分を変えようとフィットネスクラブに通うが失敗。
絶世の美女になりたいと
映画さながら天に願うがもちろん叶わず。
さらにはフィットネスクラブで転倒し気絶してしまう始末。
しかし、レネーは気絶のショックで
自分が美女に見える病気?になってしまった。
呆れる周囲を余所に願いが叶ったレネーは
仕事も恋も順調になっていくが…。


この手の役者ってレベルウィルソンのイメージだったのですがアクが強いな、と感じることも。
その点、エイミーシューマーは
どこにでもいそうな大衆感が雰囲気や所作から感じられて、
この作品のコンセプトとがっぷり乙にハマっていると思いました。

自分には美人に見えている、
という周囲の視線、評価とのあべこべが装置となって終始笑い。
正常に戻ったときに
どんな反応するんだろうか?という展開への伏線にもなっているので飽きずに見れます。
歩き方や話し方だけで、面白いし、何故か気になる魅力があり、
ルッキズム的な観点ではなく
男性視点でも羨望の「イイ女」っぽく見えるのが
異性ながら勇ましい気持ちになります。

ポジティブなコメディ映画って
大体主人公が周囲に迷惑を掛けてたり
そういうのを笑い飛ばしてなかったことにしたり、
というツッコミの隙がありがちですが、
今作ではそこにもちゃんとメッセージがあって印象が良いです。


ポジティブに生きていれば
容姿は関係ない、というストーリーですが、
個人的には
自分の持つステータスを受け入れ、
自信があるように見せることが大切だと感じとりました。
社会では
身の程弁えることに慣れてしまっていますが、
どうしても叶えたいことなら、
ちょっと背伸びして喉から手を出してもいいじゃないか、と
彼女を見ていると思えるようになります。
それを見て笑っている人たちは
自分が目指すステージ上の人たちではないのだから。

エミリーラタコウスキーは一線画す美貌。