FATMAX夜食のデブロード

パージ:エクスペリメントのFATMAX夜食のデブロードのレビュー・感想・評価

パージ:エクスペリメント(2018年製作の映画)
3.1
トンデモ設定で一捻りした密室ホラー風サスペンスな1作目。
舞台を広げ一気にハイテンション増し増しなエクストリームスリラーに仕上げた2作目。
明確に対政治権力要素を打ち出し国との戦いにシフトし始めた3作目。

…と来て4作目は先に進むかと思いきや、シリーズ物にアリがちと言えばアリがちなプリクエル(前日譚)である。

3作目を観た時に 続きを作るならあのエクストリームな世界観から離れそうだ…なんて想像はしたが今作は昔話。
当然パージ制定前《実験として一地域で実験的を行うという設定》である=結果としてではあるが尚更あのハイパー逝ってる世界観ではなかった。

だがいきなりあのハイテンションな世界観になるのはブッ飛び過ぎ!と考えれば中盤からの(パージにしては)地味な展開も分からんではない。

ただ、ソコをガッシリと決めるならあの狂人キャラや時折出て来るホラー的キャラに違和感も出て来る。
かと言ってパージシリーズである以上、絵的に攻めないとダメな部分もある。

まぁ一生懸命に考えたストーリーだとは思いたい。思いたいが綺麗にまとまってる…とまでではないかな。

結果的にいわゆる〈VSモノ〉な展開で、良く聞かれる『パージっぽくない』という意見も出て至極当然だと思う。


…でもね。
いわゆる低予算アクションスリラーとして観れば面汚しレベルでダメかと言えばそうではなく、B級モノとしては楽しめるぐらいには仕上がっていると思うよ。


『ただし傑作って言ってるワケじゃないよ、念のためw』


ワシは1作目が面白いプロットなのにイマイチ何か足りないという感想で、その設定を活かして完全に振り切った2作目が好きなのだが、ソレに比べると話をきちんと作ろうとしてる感が逆に足を引っ張ってしまった印象を3作目に持っている。

今作もソレに近い。
だが、パージ法の誕生を構築しようとして〈まだあんな狂った世界観が出来上がってない〉という、今回に関しては設定を詰める方向に振った姿勢には好意的である。

結果 確かに"パージっぽくない"し、構築とはいえ雑な勢い押しが結構多いなのは事実だが、そのチョイと無理矢理な感じもB級アクションスリラーと思えば許せた範囲なのでソコまでガミガミ言うつもりもない。

「この先どういう世界になるのか」という答えが分かっているのが前日譚。
そういう意味でもこの作品に対してはそんなに落胆は無かったかな。



今作は ほぼメインが黒人で政府側には白人多めという

"まさかのパージシリーズもそういう事に気を遣って来たか!"

なヤツなんだけれど、まぁ設定でそれなりなハメ込み方はしている。

ただ、チョイとピーキーな感じがしたというか、むしろ気にするならもっとMIXすべきではないだろうか?…とは思ったり。


有名な人と言えばマリサ・トメイが政府側の博士役に居るぐらい。ぶっちゃけ活躍出来そうな位置だが、ほぼ動きは無く見事に脇役だ。
(まぁワシがそんなに役者に詳しくない事もあるかもしれんw)

多少は擁護して書いたが、ソレでもパージっぽくないのは事実。ソレが世間的には求められていなかったのか人気/収益 共にイマイチで終わったのも何となく分かるっちゃ分かる。
コレで3作目の続きが無くなるとすれば悲しいねぇ…

でもまぁワシはB級アクション映画とか好物なので、結構 割り切って観れたってことだろう。


『あ〜、そういう事ねぇ〜〜。』と、理解する為に観る!
…ぐらいの気持ちで行けばソコまでヒドい映画でもないかとは思いますね。

ただし過去作を一切観てない人は
"脳内?だらけ"とはならないけど、コレ観て『ヨシ!過去作を観よう!』って気にさせる程のパワーは…チョット無いかなぁ。