同性愛矯正施設の闇を画いた事実に基づくストーリー。
主人公が矯正施設へ入居するシーンから始まる。
母子の信頼関係や子の未熟さが窺える。
場面が変わって時は少し遡る。
主人公の青春時代が描かれる。
他人とは違う自分に戸惑いながら
それを受け入れるべきか葛藤する。
図らずも両親へのカミングアウトの時が訪れる。
父は教会に立ち、説教する牧師。
親子の関係であっても受け入れられるはずはなく、
性への関心の向きを正しい方向へ直すことが
我が子の人生にとって必要なことだと
説き伏せる。
子も親を信じ、そして冒頭の入居シーンへと至る。
序盤から怪しい教えと詭弁が画面全体に溢れ、
観客の立場からは施設としての異様さに不安がよぎる。
それでも両親の期待に応えんとする主人公のけなげさは
危うくも純粋なジュブナイルそのものである。
とかく、前半から中盤は正直退屈。
牧師の説教や詭弁者のダラダラ論議が続くので致し方ないかもしれないが、
疲れているときに見る映画では決してありません。失敗しました。
それでも後半、僅かな起伏ながら盛り上がる辺りからはそれなりに楽しめました。
日本においては矯正施設が普及しているわけでもなく、
今作のように絶対に受け付けないという環境ではないように感じます。
(楽観的すぎるかもしれませんが。)
単民族国家だった日本が、徐々に多国民を受け入れ始めた現代において
性的マイノリティへの受け入れも割りとすんなりいくんじゃないかとも思ってます。
さて自分の立場に置き換えたとき
実際はどう考え、どう感じるのか。
少なくとも、寛容な時代であってほしいです。