kochab

暁に祈れのkochabのレビュー・感想・評価

暁に祈れ(2017年製作の映画)
3.5
まず内容を話す前に、技術的な部分、という感じのところを。

それは「コマ割り」が多い、というところです。キックボクシングのシーンもさることながら、監房の中のシーンなど、1カットの時間が非常に短く、その分カット数が他作よりも多いと思います。話の流れやそれに付随して出てくる長尺でのエネルギー、といった部分よりも、いろいろな視点で場面場面を見せていく、という方に重きを置いている感じがします。だからか、観ていてちょっと疲れた感がw。( ̄∇ ̄;)フー

内容的には、タイでの獄中、字幕も最小限なので、なにを言っているか、厳密な意味合いでは分かりませんが、「大体こういうことを言っているんだろうな~」的なニュアンスは分かります。これも現地の言葉が分からないと言う主人公の置かれた状況に観客たる日本人も合わせた配慮なのはよく分かります。日本語版製作スタッフもある意味思い切ったことをしたな、と思いますが、雰囲気は良く出ていたと思います。ゆえに、なにを言われているか分からない、という追い詰められ方もしている主人公の立場も分かると思います。そして獄中でも落ちぶれた中、徐々に一筋の光が見えてくる、そんな部分がより強調されたハードさ、であったと思います。
kochab

kochab