みさお

暁に祈れのみさおのレビュー・感想・評価

暁に祈れ(2017年製作の映画)
3.6
イギリス人ボクサーのビリー・ムーアは再起を期すべくタイに移住したが、結局はドラッグに溺れてしまった。やがて、ビリーは窃盗で逮捕され、刑務所に収監されることになった。しかし、その刑務所の環境は劣悪極まりなく、リンチによって死ぬ受刑者も珍しくはなかった。しかも、刑務官を経由してドラッグが入手できる状況にあった。ビリーはますます薬物に依存するようになり、他の受刑者たちとの喧嘩に明け暮れていた。そんなある日、ビリーは所内のムエタイチームの姿を偶然目にすることになった。その瞬間、ビリーは失っていた闘志を取り戻し、チームへの参加を志願した。

本作はビリー・ムーアが2014年に発表した自伝『A Prayer Before Dawn: My Nightmare in Thailand's Prisons』を原作として作られた実話。

重たい映画だった。
まず、台詞が少ない。
その上、状況説明が無いので、何が起きているのかよくわからない。また、タイ語の字幕が殆どないので、タイ人が何を言ってるのかよくわからない。

主人公ビリーと同じように、理解できない不安が思考にまとわりつく。
カメラワークもビリーに近くて、一体何をされるのかと動揺する。

ビリーが刑務所のムエタイチームに入り、少しずつ立ち直っていくラストにかけては少し希望があるけど、見終わったら直ぐにシャワーを浴びてリフレッシュしたくなる作品だった。

タイ人の囚人は全て本物の元受刑囚で、入れ墨も本物だそうです。

最後にビリーに面会に来た父親らしき人は、ビリー・ムーア本人だそうです。
そういえば、左耳が変形していたね。


COVID-19拡大によるステイホームで鑑賞したけど、理解できない不安っていうのは、まことに厄介なものですね。
私は、タイ語やタイの刑務所よりはCOVID-19の方が理解できる気がする。
みさお

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