山岸謙太郎監督、武田梨奈主演によるコメディ・サスペンス。
30歳の誕生日を目前にした主人公が、突如銀行強盗犯に拉致され、ともに逃避行する姿を追う。
武田梨奈主演のドラマ『ワカコ酒』シリーズが好きな私、本作品で武田演じる主人公、荻野那奈が心の内をナレーションで語るシーンは、ドラマを彷彿とさせるもので、ついニンマリしてしまう。
物語はコメディテイストを取り入れながら、夢を諦めつつある主人公と、夢を追い続ける銀行強盗との逃避行をロードムービー風に描いており、終盤の一歩手前でベタな演出が続き少々ダレるものの、最後の最後で、ちゃぶ台返しを喰らうことに。
その結末は中々見事で、ついつい気になったシーンを見返してしまった次第。
『ブレードランナー』の原作をモチーフとしたタイトルは、三十路を前にしてささやかでも夢を失わずに生きる主人公を塩梅よく捉えているとともに、B級ながら、期待以上のサスペンスを味合わせてくれ、満足度の高い一作。
せっかくの運動会、楽しまないとね。
