幽斎

マイナス21℃の幽斎のレビュー・感想・評価

マイナス21℃(2017年製作の映画)
3.2
本作の紹介文「実話&極限状況サバイバル・スリラー!」何でもスリラーと付ければ良いってもんじゃない。
シエラネバダ山脈の景観が素晴らしい。BS紀行番組の様で行きたくなる。それで思い出したのが、今年の北海道の寒さ。旭川の友人に聞いたが、-21℃は大騒ぎする程では無いらしい。-30℃から本番だぜ!と強がってた(笑)。シエラネバダ山脈と言えば悲しい歴史も有る「ドナー隊遭難事件」を検索して下さい。

主人公の行動を復習したい。Eric LeMarqueはホッケー選手を引退後ドラッグに溺れ、スノーボードもクスリをキメて山を登る。ゲレンデは吹雪で覆われ、 危機管理センターが閉鎖を検討する視界の悪さ、それを自ら立入禁止区域に入り遭難した。日本語に自業自得と言う言葉が有る。「よく耐えた、頑張った、感動した!」と日本人の感性では共感出来ない。Mira Sorvino、相変わらず綺麗だが母親に見えない。

Josh Hartnett もう40歳。「ブラックホーク・ダウン」に出演した紛れも無いハリウッド・スター。しかしその後はインディーズ系ばかり出演する。私の知ってるだけで「スーパーマン」「バットマン」「スパイダーマン」を断ってる。何かやらかして干されてる訳では無い。寧ろ仕事仲間からはリスペクトされてる。その証拠に2019年だけで4作品も制作が待機してる。主役を張るに十分なカッコ良さ、真摯に役作りに挑む姿勢、間違いの無い演技力、そしてネーム・バリューを活かした積極的な慈善活動。大作に出ないから駄目とは思わないが、その理由は本人しか分らない。同世代がリッチに成るのを意に介さず、今日も誰かを演じてる。GACKTや木村拓哉と共演するなど日本好きとしても知られる。来日の時には盛大に迎えたいものだ。

自己責任で共感出来ないテーマ、Scott Waugh監督の一本調子で稚拙な演出で「127時間」「海底47m」のサバイブ作品と比較するのは失礼。彼の本気のサバイバル演技だけが見所、Josh Hartnettを愛でるのが正しい鑑賞方法だ。
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