ガーコ

かぞくいろ―RAILWAYS わたしたちの出発―のガーコのレビュー・感想・評価

4.0
切ないけど優しい、家族っていいなと思える映画でした。

『ひよっこ』のドラマ以来、久しぶりに有村架純ちゃんの田舎っぽい姿が見れました(笑)

今回彼女が演じたのは、ディーゼルで走る単身列車の運転手。
まさか実際に電車を動かしているとは思いもしなかったのでビックリ!

運転席に座って、アクセルやブレーキを操作する彼女の頼もしい姿にドキドキしちゃいました!

なので、てっきり電車の話なのかと思いきや、これは家族の温かさを描いたとても優しい物語。
蜘蛛膜下出血で突然夫を亡くし、連れの息子と二人で夫の故郷までやってきた二人…。
親戚と呼べるような知り合いのない彼らは、唯一夫の父を頼って鹿児島へ上京し、彼女は残された息子のために運転手を目指します。

東京の雑多な人混みとは違い、街の人一人一人が家族のような田舎駅。
みんなが時に優しく時に厳しい言葉をかけてくれる、家族よのうな街の人たちに囲まれて子育て、お仕事をシングルマザーのあきらちゃんは奮闘します!
血の繋がりのない家族の関係に、苦しむことも沢山ありますが、彼女の笑顔のおかげで、みんな明るく楽しくやっていく姿がとても素敵です!


『かぞくいろ』という言葉通り、家族にはそれぞれその人に合った家族の色があることを感じます。

主人公のあきらちゃんは、元気なひまわりのような黄色!
息子の駿也君は、電車と同じような爽やかな青!
おじいちゃんは、家族を守ってくれる森のような優しい緑。
皆それぞれのカラーがありますね(笑)

家族を失うという事は、色を失う事と一緒。
いつも当たり前のように存在していた色が突然失われてしまうなんて、想像するだけで耐えられそうにありません…。
今日まであった赤い色が全てなくなって空洞になってしまう…。
大切な人を失うという事は、まさにそういう事なんだと思います。

もし自分の大切な人が突然なくなってしまったら…。
明日から、どうやって生きていけばいいのかと、深く考えさせられる映画でした。
ガーコ

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