このレビューはネタバレを含みます
自分の近くに来る生物を殺してしまう能力を持った男の話。
まずは主人公の設定が面白かったですね。
死んでいく人達の目が白くなっていたので、『光る眼』的な展開を予想したりもしたのですが、主人公自体が変死の原因だったと。
更には、主人公の能力を抑制する女性が登場する事で、映画がより多層的になっていきます。
「２人が離れてはいけない」という設定はTVゲームにしたら面白そうだなと思ったし、恋人を束縛したり、ストーカー化する男性のメタファーとして読み解くのも面白いかもしれません。
終盤になると、男が連続殺人犯だった事、そして女性がそのターゲットだった事が分かるわけですが、あの能力は男の殺人欲求の現れだったのでしょうね。
記憶が戻ったにも関わらず、男の性格が善人のままだったり、能力発生の原因が落雷だったのにはモヤっとするものを感じましたが、まぁ90分で話を畳むには多少強引なのも仕方ないかな…という感じ。
個人的には、セカイ系っぽいオチだったら嫌だなと思っていたので、それを回避しただけでも良かったですよ。笑
男の特殊能力を中心に、１シチュエーションだけで突っ走るシンプルな構成で、どこか寓話的な印象すら残す本作。
難解さも複雑さもないので、空いた時間に気楽に見れるSF映画としてオススメ出来る作品です。
