OB

千と千尋の神隠しのOBのレビュー・感想・評価

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)
4.4
このタイミングで何故か『千と千尋の神隠し』

娘が暇して「映画観たい、ジブリ観たい、今回は千と千尋がいい。」と急に言い出した。千と千尋かぁ、と思いながら何気に一緒に見始めたのだが、結局最後まで観てしまった。

私の長年のジブリ評といえば、
男らしさの見本として『紅の豚』『カリオストロの城』、またメッセージの崇高さから『ナウシカ』『もののけ姫』あたりが常に上位独占。

翻って『千と千尋』は公開当時の興行収入の凄さも手伝った大衆受け的なイメージから、少々鼻白んで見ていた節があった。

一応、我が家には宮崎駿全集なるものがあり、全作いつでも観ることが出来るのだが、上記4作以外は、ほぼ観たことが無かった。

そのような穿った目つきによる久々の観賞だったが、、20年前の作品とは思えない瑞々しく精彩な映像の描き込みを始め、瞬時に見る側を映画世界に引き込む迫力ある絵の動き、立ちまくったキャラクター達等々、改めて映画作品としてのレベルの高さを思い知らされた。(今頃か、と言われそうだが。。)

宮崎監督の一貫したテーマである自然破壊に対する警笛は今回も明確だが、単に自然と人間が対峙するのではなく、ハクと千尋の関係に象徴されるように、お互いは補完関係にあるという前向きなメッセージは、まさに現代的な語り口。

そもそも、このような奇想天外なストーリーは常人では到底考えつかないだろう。やはり宮崎駿氏恐るべし。

ジブリ作品の私的ランキングはやはり悩む。。『ハウル』や『ポニョ』も再度観てみるかな。
OB

OB