ユースケ

千と千尋の神隠しのユースケのネタバレレビュー・内容・結末

千と千尋の神隠し(2001年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

両親(中の人は沢口靖子& 内藤剛志の【科捜研の女】コンビ)の借金のカタにされ、八百万の神々が通うソープランドでソープ嬢として働く事になった10歳の少女荻野千尋(源氏名は千)は、過酷な労働と命懸けの冒険を体験する事によって大人の女性へと成長していくのだった…

真性ロリコンのルイス・キャロルが10歳の少女アリス・リデルのために【不思議の国のアリス】を創造したように、真性ロリコンの宮崎駿が別荘に遊びに来る10歳の少女のために柏葉幸子の【霧のむこうのふしぎな町】をベースに創造したジブリ版【不思議の国のアリス】。

ストーリーもキャラクターも音楽も世界観もテーマも素晴らしいのですが、何と言ってもみどころは食事シーン。号泣必至の千尋がハクからもらったオニギリを泣きながらむさぼるシーンをはじめ、千尋の両親の爆食いシーンやカオナシのチョウ爆食いシーンなど、食事シーンがやたらと多い本作は完全な飯テロ映画。
誰から受け入れてもらえないカオナシの満たされない心を満たされない空腹として描くアイデアも秀逸。千尋に受け入れてもらったカオナシがお行儀良く紅茶を飲みながらケーキを食べるシーンはたまりません。

更に、大スペクタクルで描かれるクサレガミと化した河の神の入浴シーンは、テーマを理解して手コキとして鑑賞すれば、いっぱい出して河の神へと昇天したクサレガミ以上の満足感が得られると思います。
挨拶しろだの、仕事しろだの、説教臭いところはありますが、風呂に入って元気になった河の神のように、見れば元気になれる傑作です。

なぜか電車のシーンは何故かグッときますね。