みんと

欲望のみんとのレビュー・感想・評価

欲望(1966年製作の映画)
4.1
気になり続けたミケランジェロ・アントニオーニ監督作品。
スウィンギング・ロンドン真っ只中のロンドンを舞台に、人気フォトグラファーのトーマスが撮った一枚の写真を巡るサスペンス。

コレはアートを極めた作品。少し前に観たドキュメンタリー『マイ・ジェネレーション~』にちょっとした?ストーリーを加えて映画にした感じ。とにかくアート、アート、アートまみれの111分。

概ねフワッとザックリ、何の脈略もないシーンを繋ぎ合わせ、ストーリーでさえ後付けとも思えるくらいなのに、視覚は喜ぶ。ワクワクもする。そしてクセになる。

一歩引いてみると、見ようによっては写真に取り憑かれたひとりのフォトグラファーがファインダー越しに覗く世界を見せられている様にも…。
そもそも現実なのか?彼の頭の中で作り上げたものなのか?果たして殺人事件は実際に起こったのか?それさえ曖昧に見えてくる。右往左往してる様子が滑稽でもあり、悲壮感すら漂うものの、そんなのどうだって良くなる。
…そもそも不条理映画に答えを求めるなんて野暮だった。笑


若きジェーン・バーキンのカオスなシーンも、勿論ファッションも見どころのひとつ。

通して60sのロンドンのカルチャーが存分に感じられ、無性にワクワクしてどうしようもなく癖になるアートを極めたちょっと不思議な作品だった。
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