Ryoma

欲望のRyomaのネタバレレビュー・内容・結末

欲望(1966年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

黒く潰れてよく見えない。得体の知れぬ“アレ”を追い求め、街や公園、写真スタジオ、ヤードバーズの演奏するライブハウス、ジャンキーの棲まうアパートの中を、朝から夜へ、そして夜から朝へと、額にべっとり、粒立った脂汗を滴らせ、呆然とさまよい続ける男の存在は、さまよえばさまようほど、いよいよ透明になっていき、とうとう、ぼうっと佇む公園の、だだっ広い緑の中へと、吸い込まれるように消えてしまった。しかし、すぐ傍では、顔を白く塗りたくった、毳毳しい衣服を身に纏う若い集団が、区切られたテニスコートの内側で、目に見えぬラケットを振りかざし、目に見えぬボールを、ただひたすら追いかけ続ける……
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