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志乃ちゃんは自分の名前が言えないのtobiのレビュー・感想・評価

3.8
自分の名前が言えない志乃ちゃんが加代ちゃんと一緒にバンドを組むお話

いやーものすごく深いお話でした。そして思っていた展開と違ってびっくり。
だからこそすごく心に残る映画でしたね。

極度のあがり症なのか人前で全く喋れない志乃ちゃん。周りでは友達ができ始める中、もちろん友達もできず。そんな中、志乃ちゃんと同じように誰とも群れない加代ちゃんと出会い、2人は友達になることに。

2人が出会うまでは何とも息苦しい。中学高校くらいの年頃は本当に無邪気で残酷。

志乃ちゃんと加代ちゃんが出会ってからは曇り空に光が差し込んだように明るくて眩しい!不器用な2人が自分の足りないところをお互いで補い合うような。そんな2人のやり取りが本当に微笑ましい。

橋の上で歌うシーンでは泣きそうになりました。あんなに存在感のなかった2人も、2人が揃えばたくさんの人を魅了する存在に変わるなんて。
清掃員のおじさんの変化がすごく素敵!徐々にファンになって2人のことを応援してたんだなーって。

菊池の登場によって話は思わぬ方向に。
でも菊池が悪いわけではないし、志乃ちゃんも加代ちゃんも悪いわけではないし。でも菊池出てこないで欲しかったなー。

文化祭で歌った「魔法」はなかなか深い。もしも「みんなと同じに話せる魔法、みんなと同じに歌える魔法」があったら志乃ちゃんも加代ちゃんも違った高校生活だったかもしれない。だけど「魔法はいらない」という歌詞でこの歌は終わる。そのままの2人でいいというメッセージでしょうかね。

結局志乃ちゃんも加代ちゃんも菊池も連まず、バラバラに。それでも新しい出会いがありそうな終わり方には期待せずにはいられない!
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