タカシ

響 -HIBIKI-のタカシのレビュー・感想・評価

響 -HIBIKI-(2018年製作の映画)
4.5
『「北島マヤ…あの子は天才よ!」という映画』


足が人より早い、早い球を投げられるといった目に見える分かりやすい天才というものはいますが、小説の天才とはどんなもんなんでしょう?

現物の小説を観客は読む事が出来ないわけで、となると劇中主人公の響が天才であることの証左は全て回りの登場人物によって語られます。

マンガ「ガラスの仮面」において主人公北島マヤはすごい演技をする天才として描かれる訳ですが、それも彼女の演技を目の当たりにした観客の言葉、そして月影先生の冒頭に挙げた言葉によって確信する事が出来るのです。

ただそんな主人公を描くとき観客に如何に感情移入させるか、もう破滅型の感情移入を拒否するようなキャラにするのか。
先に挙げた北島マヤは普段はおとなしいがこと演技に関しては我を忘れて打ち込むエキセントリックなキャラにしました。
対して響はまるで子供のような、大人の事情にまったく頓着しないイノセンスな存在として描いています。(結果非常にエキセントリックに見える)

これが一見して少女にしか見えない平手友梨奈さんに非常にマッチしてここは怖いくらいでした。

「アイドル映画」
「マンガ原作」
「秋元康案件」

となかなか『大人の』映画ファンには敷居の高い作品だと思いますが、これは一見の価値ありだと思いますよ。

ただ、見終わると普通に「てち(平手さんの愛称)よかった、可愛かったぁ」となるので、アイドル映画の本分も忘れてないなと。

結局、真の天才とは「持ってる人」ってだけじゃないの…?
劇場にて。18.09.21
2018#080
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