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未来のミライの物理のネタバレレビュー・内容・結末

未来のミライ(2018年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

えっ?何が言いたいんだ???
こんなに何が主題なのかよくわからない映画はじめて観たかもしれない。
あとある意味壮絶にこわかった。
この夏1番の精神的ホラーでは?
そういう意味では秀逸。

建築家のおとうさんが設計した、見た目はとってもおしゃれで素敵なお家とその箱庭の中だけで完結する、現実と非現実の境界があいまいな白昼夢みたいな話。

おかあさんは編集者で今時の働く女性といった感じ。育休もそこそこにバリバリ働く母親に代わって、フリーランスで働く父親が子供の面倒みてる。

個人的に細田守さんの大人観(女性観?)と家族観はクセが強いなと感じていて、単独脚本のおおかみこども以降で顕著だったけど、今作で最たるものになってる。
一般的にストーリーの役割上、大人は大人として描ききられる事が多いんだと思うんだけど、細田作品の大人は「子供の延長に大人がある」というかその境界があいまいな印象を受ける。
特に男性。

今作でも「おかあさん」については子供時代と母になってからの対比が描かれているけど、「おとうさん」についてはそれがなく(むしろコンプレックスを引きずっている印象を受ける)なんだか精神的に未熟。

「おとうさん」は外ヅラがよくて、他所のお母さんや公園で出会った外国人女性にまでよく思われたいし、妻にも頭が上がらないからいいお父さんをやろうとしてる。(子供の頃の身体的コンプレックスから根っこの部分で自分に自信がないままなのかもしれない)
表面だけでも頑張っているのは伝わってくるけど、根本的に子供に興味がない。くんちゃんの時は仕事に逃げて何にもしなかったと自分で言っちゃうレベル。

観ていて途中までは、お父さんもミライちゃんのお世話でくんちゃんにまで手が回らないんだな〜って思えてたけど、くんちゃんと2人になった場面でくんちゃんの構って欲しいSOSを意図的に無視しているのを見て、あ、本当に子供(くんちゃん?)には無関心なのかなって感じた。
というか、この人基本的に意識のベクトルは自分に向いているんだろうな。。。

くんちゃんはミライちゃんが来てからずっと自分への無関心/愛の配分が減った事を理解していて、必死にSOSを投げかけ続けるけど、両親は真剣にとりあわない。
そんな時SOSがトリガーになって、逃避行動的に白昼夢を見るんだけどこれが現実かくんちゃんの空想の世界かはっきりしない。
未来のミライちゃんが動かした物を父親も見てるから現実の様な気もするし、メスっぽい名前のユッコがおじさんの姿になってるからくんちゃんの空想の気もするけどそこがはっきりする要素はなかった。(と思う)

そもそもこの逃避行動もそうだし、くんちゃんの動きや絵面もかわいい&ああいうの監督の性癖だよねwwっていう扱いで見えづらくなってるけど、くんちゃんの強いストレスとSOSがストーリーのそこかしこに散りばめられていて観ていてキツい。

スフィンクス型の寝相→子供がえりとストレスの現れ
ユッコの真似→周囲の自分に対する愛情は犬以下だって思ってる
くりかえし蜂ゲームをねだる→誰にも構ってもらえなかった、構ってもらえてうれしかった
…他にもいろいろ。

あと自転車のエピソードで自分よりミライちゃんを選んだお父さんをくんちゃんは精神的に捨てて、教育してくれて頼りになるひいじいじの事をおとうさんって呼んでるのがめちゃくちゃこわかった。
おとうさんが対外的な「いい父親」をやっているだけで、生き物としての管理の範疇を出てないし、しかも自分は選ばれなかったって思ってるくんちゃん…
夢から覚めたくんちゃんが寝起きでだるだるしてる星野おとうさんを見てる目に覗く失望ったら。。。
でも星野おとうさんはそんな事には露ほども気づいてなくて、「僕のことなんていいんだ…」とかわざわざ言っちゃって自己愛を感じる涙を流してる。。。
ええっ…ブラックが過ぎませんか?

未来のくんちゃん、愛を乞うくんちゃんと同じ子なのか信じられないくらいめちゃめちゃドライそうな子になってましたね。
昔の自分にガキが、って吐き捨ててるし。

大きくなった兄妹は本当に未来からきたのか、くんちゃんの想像なのか明示はされてなかったけど、
本当に未来からきたくんちゃんなら、無関心への諦めを重ねてあんなにドライになってしまったのかもしれないし、
想像の姿なら親からの関心を得られなかった自分の行く末を理解してるって事では??それはそれでこわい。
すべては想像の範疇でしかないけど
すげーーーーーこわい。

最終的に白昼夢オムニバスの中でくんちゃんはミライちゃんのお兄ちゃんというアイデンティティを容認して帰る場所を得たけど、思うことあっても家族という最小単位の社会内での役割を受け入れないと必要とされないって話なんですか??えっ何???何が言いたいの???

さらにさもいい事みたいに「あの時あの人やあの人がああいう選択しなかったら今がなかった」ってドヤ感出して言ってたけど、え?だから何???結局何がいいたいの???ご先祖様や縁に感謝しろ的な??この流れで???

んでラストで、わたしたち未来に生きてるから〜みたいな感じでドヤ顔で去っていく未来のミライちゃん&くんちゃん。

なんかとっちらかりすぎでは?????
えっ考えすぎなの??
もっとライトに考えた方がいいの?
夏の??娯楽作…???

あまりにもわからなすぎてこの感想すら
あっちこっちめちゃくちゃとっちらかってしまった、、、

主題がわからなかった…
本当にわからなかった…
誰か理解力高い人教えてください…
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