ニクガタナ

未来のミライのニクガタナのレビュー・感想・評価

未来のミライ(2018年製作の映画)
3.3
「おおかみこどもの雨と雪」以来家族3人で3年ごとに劇場で観てきた細田作品。評判が良くなくて心配しながら今作も家族で鑑賞。アニメ表現上の見所は多い。特に子供の柔らかい動きはよく観察してあって素晴らしいアニメーションだと思う。また、俯瞰、鳥瞰の背景描写が手間かかってそうで魅了される。今作も何人もの美術デザイン担当スタッフを起用し、主人公宅の装飾、未来の東京駅、衣装デザインは相変わらず素晴らしい。しかし残念だが主人公くんちゃんの声を担当した上白石萌歌の声がどうしても幼稚園児の声に聞こえない。セリフ自体もあまり子どもらしくない。昨今国内外の子役の芝居がどんどん上手くなっており、子役でヒットしてる作品も多いってのに、なぜ難しいあの年齢の子供の声を女性タレントにやらせようと思ったのか?何か非常にもったいない。アニメ制作にスタイリストを導入し、背景美術も美術監督、美術設定と複数のデザイナーで分業したり、いろいろアニメのスタッフワークに革新を進めてきた細田監督だが、スタジオ地図を設立した前作から脚本は自身のみで。今作は描きたいシーンを強引に繋いだ印象で特にダメ脚本。タイムリープとファンタジックな異世界移動が混合され、都合が良く、現象発動の理屈がよく分からないし、そこに統一性も無くて気持ち悪い。次回作があるならまず脚本を誰かに委ねて欲しい。
ニクガタナ

ニクガタナ