木葉

15時17分、パリ行きの木葉のレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.6
タリス銃乱射事件。
三人の若者が無差別テロに立ち向かい、死者を一人も出さずヒーローになった実話。
何しろ10数分の出来事を映画にするわけだから、テロを描いている時間は30分弱もない。
1時間以上三人の生い立ち、経緯を丁寧に説明し、彼らの二人が軍に入隊するまで、入隊してからもきちんと描いている。

幼馴染の三人が問題児でなかなか社会に馴染めない、そして軍に入るまで、軍での働き。時間をかけて彼らのこれまでの人生を紐解くので、多くの観客は何を観に来たんだと思うと思う。

しかし、彼らの行動の殆どがテロに行き着くまでの伏線となって、緊急事態の収拾に結び付くのだ。

ごくごく普通の若者が、テロに遭遇し、テロを食い止める咄嗟の行動が出来たのが、偶然ではなく必然だった
かのような気がしてならないのは、スペンサーストーンの言葉、『人生の大きな目的に導かれている気がして』があったから。
テロにたまたま居合わせた彼らの、これまでの人生に意味があり、彼らの今までの生き方があったからテロを未然に防げたという映画の描き方に感服した。
イーストウッドが信頼を寄せた実際の彼らが演じ切り、リアリティ溢れる映画となった。
木葉

木葉