まこと

15時17分、パリ行きのまことのレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
3.5
「主よ、私をあなたの平和の道具にしてください」

あれ、この映画って外国人youtuberによる旅行記でしたっけ。
大島優子に似ているイタリアで出会った女性とかアムステルダムでのナイトクラブからのハングオーバー(二日酔い)のくだり、ちょっと尺取りすぎ問題。
旅行のことはさておき、青春時代の尺については長いように思えて重要な伏線がいっぱいあった。


色んな奇跡が積み重なって起きた一つの必然。
サバゲーばっかりやっていたおかげで銃に詳しくなった子供時代
たまたま頭文字が近かったおかげで仲良くなった友人
三人のうち二人が軍に所属した
医療実習でうまくいかなかった
演習の際にボールペンで立ち向かおうとした
一見、無駄にも思えるぐらい彼らの青春時代を観てきたがゆえに、いくつもの"奇跡"が重なった末に起こった"必然"だったのだと感じた。



ただ、本人を器用するという映画史上初めて(恐らく)のウルトラCをやってのけたのは凄いんだけど、結局究極の再現ドラマにしか思えず。
身も蓋もないこと言っちゃうと、これ本人にした意味ある?
仮に本人じゃなくても、ラストシーンで実際に表彰されたシーンは流すでしょ?
本人を使っている時点で
『この三人は絶対に生き残る』ってネタばらししてるようなものなのよね。
(まぁ当時も大々的に報道されていたけど)


最近、実話ばっかり、どうしちゃったのイーストウッド。
グラントリノみたいなやつを観たいんだ、私は。お爺ちゃんに酷なこと言うけどさ。



ただ、スペンサー(だっけ?)
幼き彼の部屋に「フルメタルジャケット」と「硫黄島からの手紙」のポスターがあったのはイーストウッドなりの意味があったんじゃないか。
そう思いたい。
それは幼き彼が、単純に戦争好きだっただけじゃないはず。
それは上記二つの作品が「戦争バンザイ!アメリカ最高!」て映画からは程遠い映画だから。
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