黒羊

15時17分、パリ行きの黒羊のレビュー・感想・評価

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)
4.0
「15時17分、パリ行き」

イーストウッド監督、
主演の三人の若者は役者じゃなく当事者という画期的な映画…!!

三人の少年時代から、成年になり、ズッコケ三人組な「おーいみんなでヨーロッパ旅行いこーぜー!」な旅が大半を占める。

だが、これが凄い効いてくるよね。
足を止めるにはボディブロー!じわりじわりと効いてくる。
特にクローズアップされているスペンサー君の人生は…うん大変。誰もが通る、望むものが手に入らない人生。苦渋を味わい続けた人生。
でも、それは大体の人がそうであって。

順風満帆なラッキーな人生送る人の方が少ないのであって。

軍人だったとか関係無しに、いきなり事件に巻き込まれて、丸腰で1分間に500発以上、秒速700m、7ミリ口径のマシンガン構えたヤツに突っ込めるかいなー!?

恐ろし過ぎて、普通なら小便ちびって震えるでホンマ…

コメンタリーで、イーストウッド監督が
「実在のヒーローを描きたかった」
と言っていたが、本人の役者起用や、彼ら三人の人生から描いたのは正解やと思う。

フィクションの世界で、数々のヒーローを演じてきた、数々の作品を監督してきた「ヒーロー」、イーストウッド監督だからこそ出来た「手段」やと思う。

そらそやろ!イーストウッドに一緒に仕事しよう!って言われたら断れる訳ないよな…

メインビジュアルも、三人の後ろ姿とかグラフィックの狙いも的確やわ。

コメンタリー中心のレビューになりましたが、映画を見終わった後に「キャスティングについて」のコメンタリー見るとまた驚きが。

普通の三人が勇気によって英雄になった人生、凄かった。

この事件に巻き込まれた方々が、その後も幸せに過ごしている事を願いたいです。
黒羊

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