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人魚の眠る家のChipのネタバレレビュー・内容・結末

人魚の眠る家(2018年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

篠原涼子演じる薫子と西島秀俊演じる和昌の娘が、ある日突然娘プールで溺れて脳死状態になってしまう。回復の見込みはないと言われ、眠り続ける娘。心臓が動いている限りは生きているものとして、呼吸のための横隔膜ペースメーカー手術をしたり、電気信号で手脚を動かす技術に頼っていく。

もう2度と目覚めないとしてもどうか身体だけでも生きていてほしいと願うのは家族であれば当たり前の気持ちだと思う。
だけど延命治療に留まらず、脳死状態の身体を本人の意思に関係なく動かしたり、顔の筋肉を操作して笑わせたりといった行動が、怖いというか薄気味悪かった。
周りがおかしいと気がついていくなか、薫子も科学者もどんどんそこに傾倒していくのも怖い。

もうずっと前に娘は死んでいるという声に、「じゃあ私が今ここでこの子を刺したら罪に問われるのか?」と迫る薫子。
「法に決めてもらう。必要であれば喜んで刑に服すわ。それは瑞穂が生きていたって証拠だから」と泣き叫ぶ薫子が迫真だった。
人間とは、生とは何なんだろう。

一番苦しいのは当事者の夫婦だけれど、いろんな立場の苦しみがある。
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