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トム・オブ・フィンランドのとぽとぽのレビュー・感想・評価

トム・オブ・フィンランド(2017年製作の映画)
3.5
過酷な時代において、例えば検閲や少数派への差別・迫害など制約が創作・表現にとって功を奏することがあるのは歴史が指し示しているが、本作もまたそうした偉大なる功績。戦争が終わってからというもの本人曰く無用な物の消費を促す絵を描く仕事をしていたが、そこから芸術家へ。はじめは誰にも見せるつもりなどなかった自分ひとりの秘密な妄想、欲望の捌け口が、地元で暴力を振るわれては逃げ隠れるしかなかった多くの人々を一つに結びつけ、彼らに自分たちは美しく特別な存在であると感じさせてくれる心のホームを与えた。みんなを笑顔にして命と愛を広めた。しかし、今度はエイズなどによってゲイは以上性愛者であると非難の的に…。最後は心温まる思いに突き動かされる。みんな愛を求めている。実際の人や当時のことはまるで分からないが、それでも伝記映画として題材に対して誠実かつ丁寧な作りである気がした。最初の方で主人公が絵でコミュニケーションを図ろうとして失敗するシーンがあって、主人公の絵が広がると、海の向こうでそれが差異を伴う反復として成功するとかもよかった。ジャケットの下には愛がある。

黄色はめめしい「君への借りはもっとある」「僕達の存在をもっと知らしめてくれ」個展を→芸術家もどきよ、兄さんも私も「ファンがいる。世界中で」ペンネームを使って正解ね、家族が恥をかくもの「刑務所行きになるかも。うちは宗教書の専門」やあ、みんな
TOM OF FINLAND LIVES
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