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オンネリとアンネリのおうちのkanaco4月末までお休み中のレビュー・感想・評価

3.7
素敵な「青いおうち」を手に入れた少女達の夢と魔法が溢れる毎日を描く、フィンランドの児童文学の実写映画化。憧れてしまうような北欧の可愛くてオシャレなデザインで溢れ、ヨーロッパの夏のお庭も豊か。小さい女の子向けではあるが、かつてこういう世界観を愛した大人や、癒されたい人にもおススメ🥰(140文字)

****以下ネタバレあり&乱雑文****

フィンランドの児童文学マリヤッタ・クレンニエミ著「小さな女の子オンネリとアンネリの物語」の実写映画化。

あらすじ: 7歳の少女オンネリとアンネリはベストフレンド。ずっと一緒にいたくて、2人だけの「素敵なおうち」があったらいいのにと憧れている。そんな2人が偶然に大金の入った封筒を拾い、「売り家」を出したばかりの美しくて品の良いおばあさん「バラの木夫人」と出会う。彼女は自分が老後に暮らす家を依頼したのに、一人暮らしの老人には合わない家が建築されてしまったので、その家にふさわしい2人の小さな女の子を買い手として探していた。オンネリとアンネリはこの素敵な「青いおうち」を買うことに。こうして、2人の幸福でちょっとドキドキするファンタジックな毎日がスタートする…というお話。

本作は、憧れてしまうような北欧の可愛らしくてオシャレなデザインで溢れかえっている。オンネリとアンネリが夫人から買った「青いおうち」は、ヨーロッパ風のドールハウスがそのまま現実化したような夢あふれる素敵な場所。一体何をどうしたらこんな小さな女の子のためだけに作られたようなおうちを間違えて建てるのか謎だ(笑)バラの木夫人いわく「出来事には必ず理由がある」そりゃぁ、オンネリとアンネリも部屋に入ったら一目で気に入って、嬉しくてダンスしてしまう。私だって7歳だったらダンスする💃

音楽も児童書らしい世界観にマッチしており、控えめなるも軽快で品が良い。青々と茂る木々や葉、色とりどりの花々など自然にあふれる景観も素敵。ヨーロッパの夏のお庭が豊かに映されている。オンネリとアンネリの女の子らしいファッションも堪能できる。

また、少女たちの周りに絶対的な悪人がでてこないのも児童向けとして安心できる。もちろん人の心の迷いから事件は起きてしまうわけだが、どんな人もちゃんと奥底に優しい心を持っている。正直者で素直で可愛らしい主人公ズのオンネリとアンネリ。そして2人の「青いおうち」の周りに住んでいる大人たちは、子供に優しく、そして対等に接してくれる。

ファンタジー要素として、この作品には何人かの魔女が出てくるが、彼女たちはいわゆる、白魔女。品が良くて明るく面倒見がよい。彼女たちの魔法や共存する生き物には、派手さや攻撃性、大掛かりなものはない。でも日々に彩りを与えてくれるような小粋でちょっとしたステキな魔法だったり、不思議で可愛い生き物だったり。夢ある世界観をさらに深めてくれる。

本作を鑑賞しながら、イギリスで昔から口承で伝わる童謡・歌謡の総称マザーグースの中でも有名なうちの一つ「Whats the  little boy made of?(男の子って何でできてる?)」の詩の一部分を思い出していた。

🧑🐝「女の子ってなんでできてる?女の子ってなんでできてる?」
👧🐝「砂糖にスパイス、素敵なものぜーんぶ。そんなものでできているのよ!」

まさしく、そんな映画。小さい女の子向けではあるが、かつてこういう世界観を愛した大人や、平和過ぎる世界観に癒されたい人におススメ。