塔の上のカバンツェル

ヘル・フロント 地獄の最前線の塔の上のカバンツェルのレビュー・感想・評価

3.6
英国作で同じく第一次世界大戦の塹壕戦を描いたダニエル・クレイグら盟友揃いの「ザ・トレンチ」に似た映画かなと。

「ザ・トレンチ」はかのソンム攻勢の前日の英国兵たちの塹壕での営みを淡々と描いている作品だったけど、今作も塹壕下の兵士たちの塹壕を掘り、寝床を整備し、食事を採り、武器を点検し、戦闘に備える、そんなひとときの"戦闘"以外の兵士たちのルーティンワークの大部分を占める営みをひたすら積み重ねていく映画だった。

1916年のソンム攻勢は100万人以上を犠牲とした殺戮の様相を呈したわけですが、「ザ・トレンチ」のラストでは兵士たちが機関銃に次々と薙ぎ倒されて終幕となる。

今作でも1918年のドイツ最後の大攻勢ミヒャエル攻勢によって蹂躙された塹壕を映して幕切れとなり、英国人にとっての第一次大戦への無常観をまたもや知れる一作でした。

「ザ・トレンチ」はベン・ウィショー、キリアンマーフィーもさらっと出てるので旬な英国俳優推しな人は合わせておススメです〜