あるバナナ

ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbowのあるバナナのレビュー・感想・評価

2.2
【野球で例える簡単なあらすじ】

甲子園優勝チームの学校が、統廃合で他校に吸収されることに。すると、統合先の学校の保護者から「そっちの学校の生徒が入ると部活のレベルが下がる」と不満が出た(なぜ?)。しかし、親善試合でハイパフォーマンスを見せたところ、「レベル高いね」、と許してもらえた話 。


-------------------

脚本とCGが酷い。特に脚本が酷い。

①主人公たちが頑張ることで得られるリワードが「統合先の学校の保護書からの理解」っていうのがショボすぎる。しかも、それを解決するべきはAqourSじゃなくて理事長のマリー(と小原家)なはず。

②「保護者からの理解(=スクールアイドルの印象向上)」と、「マリー母の説得」という物語上の課題は、どちらも「ラブライブ優勝の事実」で解決できるのではないか。千歌たちが本作で新たに取った行動が、ラブライブ優勝以上のインパクトを親たちに与えるとは思えない。そもそも、スクールアイドルの地位向上は、μ'sが既に劇場版で達成したのではなかったか。

③どの展開が「3年生はいなくても心は常に一緒」の結論に導いたのか分からない。ライブを重ねることでそれに気づいたような描かれ方だったが、ライブの演出も曲調もこれまでと似たものだったので、「新しく、こういうことをしたからこの結論に気付けた!」と言うには苦しい。説得力がない。

④イタリアのライブを見てマリー母が考えを変えた理由が分からない。あのライブは、特にイタリア特有の演出や選曲をしているわけではない。つまり、わざわざイタリアでやる必要がないものなので、日本でも出来るライブを見せて説得できるのなら、ラブライブ決勝のパフォーマンスを見せればOKだったはず。

-------------------

他にも、セイントスノーを深掘りする意味あるのかとか、りあちゃん頑張ってるのに(チラシ作ったり自主練したりしてる)姉と外野が上から目線で「教えてあげなきゃ!」「内に入れてもいいんじゃない?」って言うのは違うんじゃないかとか、月ちゃんは何のために出てきたんだ(最初は来年からの新生アクアに加入するために出したのかな、って思ったけど全然そんなことなかった)とか、シナリオに突っ込みたいことは沢山ある。

加えて映像部分でも、CGがしょぼいとか、何でセイントスノーのライブが一番力入ってるんだとか、台詞と台詞のあいだの間と溜めがなくて忙しない印象になっちゃってるとか、微妙なところがいっぱい。

悪い意味で、前作を踏襲しすぎて、大幅にスケールダウンした感じは否めない。
あるバナナ

あるバナナ