mrかっちゃん

仮面ライダーアマゾンズ THE MOVIE 最後ノ審判のmrかっちゃんのレビュー・感想・評価

4.1
Amazon primeオリジナルシリーズとして制作された昭和ライダーの「仮面ライダーアマゾン」を大人向けのシリアスで原点に立ち返った怪奇性を強く打ち出したリメイク作。
シーズン1、2の喰うか喰われるかをテーマにした命を巡る壮絶な闘いの最終章となる今作。

シーズン1は人を喰う異形の怪物アマゾンの細胞と人間の細胞をハイブリットした
養殖のアマゾン 水澤遥仮面ライダーオメガと、アマゾン細胞の研究者である高山仁が自分の子供であるアマゾンを殺すため自ら細胞を注入し変身する仮面ライダーアルファとの思想の違いから衝突していく様を描いていく。
シーズン2は前シリーズで行われた作戦でアマゾンがほぼ死滅したが、人に感染する溶源性細胞が生まれ新たなアマゾンが誕生する。
その中アマゾンに育てられた千翼と父親に殺される生物兵器として蘇ったイユとの生きる事の辛さと儚さを激しく描いていた。

日曜朝9:00には放送出来ない過激さを秘めた仮面ライダー、それがアマゾンズ。

そして今作の最終章は喰うか喰われるかということを強く訴えていた。
アマゾンを家畜として生産し人間の食物とするという計画が軸になっている。
細胞を植え付けられているとは言え元は人間。生きるとは何かを訴えかけてくる。
ストーリーは臓器提供のため生まれたクローン人間の「私を離さないで」を連想した。

喰われるために生かされているということは生きているとは言えるのか。
それでも生きていく権利はあるはず。
だとしたら尚更食物として普段口にしているものの有難さを深く感じました。
生きるために誰かを殺しているという台詞が、過去シーズンにありましたがまさしくその通りで、食物連鎖のメカニズムの気持ち悪さを感じました。

水澤遥と高山仁との最終決戦も血飛沫と体液が飛び散るまさしく死闘でお互いの信念と覚悟のぶつかり合いでとても良かった。
お互いが決めたルールを超え入っては領域に踏み込んでしまうからこそエモーショナルだったのだと思う。

現在ニチアサで放送中のビルドも面白いですが、感情に訴えかけてくる一線を画したシリーズだったと思います。