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黙秘のkojikojiのレビュー・感想・評価

黙秘(1995年製作の映画)
4.0
No.1540
2023.11.24視聴

 『悪態が、生きる「よすが」の女なのよ。』
こう言い放つキャシー・ベイツは主人公ドロレスにピッタリ。圧巻の演技を見せる。これは、単なる主人公の毒付きではない。この映画の、ある意味キーワード。そしてこうも言う
『事故は不幸な女のいい友達よ』
スティーブン・キングが冴えている。

 単なるサスペンスではない。母娘の愛情の深さに涙する。私にとっては、スティーブン・キング映画のベスト3に入る傑作だ。

 ニューヨークでジャーナリストとして働くセリーナ(ジェニファー・ジェイソン・リー)は、故郷メイン州の小島で暮らす母ドロレス・クレイボーンが、メイドとして仕えていた富豪のヴェラ・ドノヴァンを殺害した容疑で逮捕された事を知り、故郷に帰る。

 ドロレスと久々に会い、事件の真相を聞き出そうとするセリーナであったが、ドロレスは無実を主張する一方で、詳細については一切黙秘する。

 その真相は20年前のある日食の夜まで遡る。ドロレスは暴力を振るう夫ジョーを殺害したとして逮捕された過去がある。しかしこの時は事故として釈放された。
やがてセリーナはその事件と今回の事件の真相を知ることになる。

 20年前の事件の犯人はドロレスと信じているマッケイ警部(クリストファー・プラマー)は、ドロレス逮捕に執念をもやす。今度こそドロレスを刑務所送りしょうと必死の捜査を続ける。この警部は、くらいついたら離さないタイプでドロレスにとっては強敵だ。クリストファー・プラマーがなかなかいい。
20年前の事件は、3人に色濃く残っているのだ。この事件、日蝕が重要な鍵となって、やがて真実が明かされる。

 いがみ合う母と娘。一度壊れた関係は、母と娘でもそう容易くはない。そう思わせ続けるドラマ展開が、ラスト、しっかりと絆を確かめ合う二人に泣ける。

(参考)
私のスティーブンキング映画のベスト3は
1位 ショーシャンクの空に
2位 スタンド・バイ・ミー
3位 黙秘
因みに4位はグリーンマイル
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