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天才作家の妻 -40年目の真実-のkassyのレビュー・感想・評価

3.6
試写会にて。

ある日夫がノーベル文学賞受賞の連絡を受ける。喜びに湧く夫婦。しかし受賞パーティーが近づくほど憂鬱になっていく妻ジョーン。何故なら本当は彼の著作は全てジョーンが書いたものだった…

メアリーの総てやビッグ・アイズなど、才能があるのに女性の名前では売れないからと夫の名前で作品を世に出すことになる妻の愛憎を描いた映画はいくつかあるが、この作品の優れているところは、クリエイターとしてのアイデンティティにおける悲哀の側面と、成熟した夫婦の関係性の複雑さを両方描いているところだと思う。
そして、「妻」という存在が如何にミステリアスなのかという事をよく表している。

妻を演じたグレン・ローズはこちらの作品でゴールデングローブ賞の主演女優賞を獲得。とにかく表情が素晴らしく、言葉よりも雄弁なのだ。アカデミー賞も最有力候補なのは間違いない。

結構実話物が多いので、何故だかすっかり実話なのだと思い込んでいた…
それくらいリアリティがあった。

グレン・ローズの役の若い頃を、実際の娘が演じているのも話題だが、やはり似ていてそれもリアルだった。
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