天豆てんまめ

天才作家の妻 -40年目の真実-の天豆てんまめのレビュー・感想・評価

4.1
原題はTHE WIFE。冒頭ノーベル文学賞受賞の電話を喜ぶ老夫婦。妻のグレンクローズは社交的でジョークもうまい、回想交え、2人の出逢いと創作の秘密が明らかになる。回想の女優魅力的と思ったらグレンクローズの実の娘?ノーベル文学賞の父と息子との反目、サスペンスフルに複雑に絡み合う家族の秘密、そして今にも来そうなグレンクローズの感情の揺れと決壊、ノーベル文学賞の栄誉を授かるジョナサンプライスの演技も素晴らしい。そこに彼の醜聞を書こうとする伝記作家クリスチャンスレーターが彼女をバーに誘い。真意をズバズバ突っ込む。そして葛藤する息子に父の真実を伝え、受賞式当日にグラグラに揺れる家族。2人の感情のうねりも素晴らしい。大げんかの後、娘から赤ちゃん👶生まれた電話で大喜び。その後のストックホルムでのノーベル賞受賞式からはまさにジェットコースタームービーのような乱降下でスリル満点。夫のスピーチを聴くグレンクローズの表情。。そしてクライマックスは過呼吸起こすかくらいの緊迫感、その果てに、、なぜグレンクローズはアカデミー主演女優賞取らなかったのだろう、と思う程、演技が凄まじかった。後味半端ないキツさを残すがこれは夫婦の内面と人間の尊厳を抉る傑作。