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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッドのnekosukiのレビュー・感想・評価

3.8
もしも、時間を巻き戻せるのなら『あの幸せな頃に戻して!』と当時の“ロマン・ポランスキー”は願っただろう。

地位も名誉も美しい妻も得て、子供の誕生を待つばかりだったのだから。

忘れもしない、狂信的な一味に依る残虐な犯行。彼らは“ポランスキー”の美しい妻とお腹の子供の命を奪った。

この映画はその事件を下敷きにしている。
“クゥエンティ-・タランティーノ”は彼らしい切り口で“もっとも痛快な形”で作品に仕上げた。

落ち目の役者の“レオナルド・ディカプリオ”とスタントマンの“ブラッド・ピット”は実社会での戦友だ。

スタントマン(ピット)と愛犬が偶然にも一味と遭遇してからの未曾有の大活躍!

ネタバレは避けるが古き良きハリウッドの街並みやリアルな撮影風景、随所に懐かしいドラマの映像を交えながら観るものを楽しませてくれる。

ドラマ「グリーン・ホーネット」で若き日の“ブルース・リー”が演じた“Mr.カトー”もチャンと出てくる。
彼とスタントマン(ピット)の格闘シーンはクスッと笑えた。

大部屋俳優の“タランティーノ”が監督に転身してからの快進撃は皆の知るところだが「パルプフィクション」や本作など、もはやB級とは呼べない大作を物している。

なかなかオスカーが取れなかった“ブラッド・ピット”が助演男優賞を手にしたことでも記念すべき作品だと言えるだろう。
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