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エンジェル、見えない恋人のatsukiのレビュー・感想・評価

エンジェル、見えない恋人(2016年製作の映画)
4.0
マドレーヌがエクスタシーを迎えた時のカットが、フランチェスカ・ウッドマンの『天使になることについて』みたいだったからロザリンド・E・クラウスの言葉を借りるけど、「存在しないものを撮影せよ、という課題を出されたとき、おそらく彼女の念頭には、クルーベがリアリズムについて述べた「天使を見せてくれるならば、天使を描いて見せよう!」という言葉があったのだろう。そして、彼女は、フレームの下から身体を捩って現れる自分自身を写真に収める。仰向けに反った胸から始まる彼女の身体は、現実にはありえないような数多くの翼のイメージへと膨張していく。(中略)『天使になることについて』を制作するにあたって、彼女は「天使になれるならば、天使を見ることができるだろう」と言っていたのかもしれない」という感じ。つまり、ふたりにだけ、見える愛がある。それは盲目と透明人間の恋だからとかじゃなくて、単純に相手を愛し続けたから。天使を見るのは、愛を信じることができた人だけ。
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