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不道徳教育講座のcrnのネタバレレビュー・内容・結末

不道徳教育講座(1959年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

三島の作品が知りたくて鑑賞したら、まさかの本人登場。それも良い演出で、思わずセリフをメモしたくなる。テーマの提示の仕方としても、映像の展開や音楽を含む作品としても、両方が良い。

「道徳とは、檻なんだ。ライオンやサルのいる檻。そして不道徳とはこれだよ」と三島が見せた鍵で、道徳の世界である刑務所に収監されていた世にも不道徳な男が釈放される。なんと洒落た始まり方か。

道徳モデル都市で跋扈する詐欺、暴力、売春、不貞、賄賂、殺人(いくつかは未遂)。邪気がなく、自分の欲求に素直な不道徳市民たちのどたばた。

男が女と走り去る背後で閉まる檻。「なぜ二人が檻ん中入っちまったかって?そりゃあ檻ん中の方が外よりも気楽に暮らせるってわかったからだ。誰だって長生きはしたいからなぁ」と天を仰ぐ三島。1959年、自刃する11年前の彼。
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