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テレフォンのRのネタバレレビュー・内容・結末

テレフォン(1977年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

1977年のアメリカの作品。

監督は「殺人捜査線」のドン・シーゲル。

あらすじ

アメリカ国内で軍事基地が破壊される事件が多発、事件の犯人はなんの関連性もない一般市民だった。調査していくと、それらは「テレフォン作戦」と呼ばれる、催眠暗示をかけられたかつての工作員たちが、ある詩を聴くと破壊行動を行うというものであった。事件を知ったKGB本部は「完全記憶」の能力を持ったポルゾフ少佐(チャールズ・ブロンソン「キャノンフィルムズ爆走風雲録」)をアメリカに派遣し、在米KGBのバーバラ(リー・レミック「マイ・ハート マイ・ラブ」)と夫婦になりすませ、事件解明に向かう。

U-NEXTにて。

「う〜ん、マンダム」のCMでお馴染みチャールズ・ブロンソンの主演作。ちなみに、彼の主演作を観るのはこれが初、うーん、渋い。

お話はあらすじの通り、特筆すべきはタイトルにもある「テレフォン」作戦というものなんだけど、これがまた恐ろしいもので、かつての工作員で今は一般のピーポーに電話をかけて、ある詩を聞かせると、昔にかけた催眠暗示が発動し、身近の軍事基地に凸るという、まさに「人間時限爆弾」。

また、そこの描写が結構怖くって、本当に普通の生活を送る、整備士のおっさんとか神父とか、ネグリジェを着た奥様までもが、電話一本で途端に無表情になって破壊行為を行うという、自分も死ぬし、残された家族もポカンだしで、本当にやられたらたまったもんじゃねぇー。

犯人は、はじめっから正体はわかってて、演じるのはドナルド・プレザンス(「ハロウィン6 最後の戦い プロデューサーズ・カット」)。俺はよく知らない俳優さんなんだけど、どうやら「ハロウィン」シリーズのルーミス医師という役柄で有名らしい。ハゲヅラのケチな親父なんだけど、ターゲットの破壊行為を遠くからジトーと眺める様が実に不気味。

そして、そんな恐ろしい作戦を阻止するために、ブロンソン演じる「完全記憶」を持った少佐と相棒となるバーバラがタッグを組んで犯人を追うんだけど、ミソとなるのがバーバラも少佐と同じくKGBなんだけど、アメリカのFBI?とも関係性がある、所謂二重スパイ的な役柄で、少佐が犯人であるダルチムスキーを殺したら、「テレフォン作戦」の工作員のリストを完全暗記した少佐を殺せと命令されているらしく、少佐と協力しながらも情報を流しているんだけど、少佐自身もかなりストイックというかクール通り越して冷酷でもあるので、なかなかバーバラに心を許さない緊張状態が続いているのがまたスリリング。

まぁ、作戦の破壊行為描写がかなり多く、少佐とバーバラがダルチムスキーを追い詰めるくだりは本当に後半も後半なんだけど、バーバラと協力しながら、バーの室内で混乱に乗じて、冷静に締め殺す様は流石ブロンソン、仕事人的に手際良く殺していて見事だった。

犯人を殺した後、もはや裏切る気もないバーバラと少佐がなんだかんだ良い仲になって終わるラストも良かった。

ラストシーン、リストを覚えた少佐に「(作戦)をやらないわよね?」と話しかけると冗談っぽく笑って見せるブロンソンの笑顔もまたオツで渋いー。

小品ではあるけど、テレフォン作戦の恐ろしさもあって、なかなか印象的な作品だった。
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