だいすけ

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3のだいすけのレビュー・感想・評価

4.5
好きだった『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』シリーズも終幕か。マーベルの中でも光るものがあるシリーズで、アクションの見せ方はもちろんのこと、ユーモアセンスもピカイチだった。今回も劇場で笑いを堪えるのに必死だった。

SFの世界観とノスタルジックでセンスの良い音楽の組み合わせも新鮮で心が躍るものだ。これがアクションが生み出す画面のリズムと絶妙にマッチしている。思わず軽くノッてしまう。

今回の主人公は実質的にロケットだ。あまりに冷血非道な設定に心が痛む瞬間もある。完璧な生命体を生み出そうとする大悪玉に対して真っ向からアンチテーゼを唱えるのは、他でもない「不完全」なヒーローたちだ。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーのメンバーは、子供にとって最初の憧れとなる理想的なヒーロー像とは程遠い。失態を多く演じるし、対立もイデオロギーなど高尚な理由ではなく、まるで子供の喧嘩だ。そんな彼らだが、他のどのヒーローよりも魅力的に見えるのは、人間味溢れるキャラクターによるのだろう。世界を救うという大袈裟な話でないまでも、周りの人を幸せにするには、完璧である必要はない。ありのままに、愛を持って接すれば良いだけのことだ。完璧な理想を求めてギスギスした世の中よりも、自己や他者の不完全まで受け入れられる寛容な世界の方が、ずっと楽しいに違いない。

P.S. コスモ超可愛い。
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