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ファイナル・スコアのmaverickのレビュー・感想・評価

ファイナル・スコア(2018年製作の映画)
3.8
デイヴ・バウティスタ主演のアクション映画。共演はピアース・ブロスナン。

サッカースタジアムを舞台にした『ダイ・ハード』の例えがしっくりくる。テロリストに占拠されたスタジアムに居合わせた元特殊部隊の男が、愛する姪を助け出すためにテロリストと対峙する。ぱっと見はB級映画臭がぷんぷんするのだが、中々に良作であった。ご都合主義というか、脚本に所々チープな部分を感じはするのだが、演出がしっかりしていて引き込まれる。肉体派であるデイヴ・バウティスタの良さをアクション面でしっかり引き出しており、スタジアム内での緊迫感ある展開と合わせて最後まで目が離せない。主人公の無双状態というわけでもなく、元特殊部隊であっても苦戦するロシアの武装集団である敵とのバランスも良かった。

この手のアクション映画は珍しくないが、本作は純粋に面白いと思える。設定もありきたりだし、アクションやストーリーに目新しさがあるわけでもない。それでも役者は体を張って熱演しているし、スタジアムで試合が行われている熱狂具合の描写やミリタリー要素などに手抜きがない。『007』などの大作映画とは比べられないが、スタジアムという限定された場所を上手く利用し、その中で最大限盛り上がるように作られた部分が上手いなという印象。デイヴ・バウティスタは熊のように屈強で巨大な体だが、優しい表情なのが魅力。そんな彼らしい優しさに溢れるキャラクターというのも好感触だった。これシリーズ化してもいいんじゃない?と思える出来だったな。

地雷っぽさがあったけど、評価が割と高いのにつられて観てみたら意外と良作でほっと一安心。こういう王道アクションもいつまでもなくならない。新要素を加えたうならせるような作品も必要だけど、鉄板スタイルで勝負するのもこのジャンルのらしさじゃないかなと。タイトルのちょいダサさ加減も、まさにって感じですね。
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