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トゥルー・ロマンスのBGのレビュー・感想・評価

トゥルー・ロマンス(1993年製作の映画)
4.9
「なんてロマンティックなの!」
上手く生きられない二人が本物の恋に出会って運命を駆け抜けるおとぎ話。象徴的に流れる音楽が寓話性を高め、陰惨な暴力も違う世界のもののようにリアリテイを欠く。まるで二人の世界とは別のどこかで起きているかのように。
深夜の映画館。吐く息も白い明け方の屋上。陽光の下、疾走するキャデラック。電話BOX。夕日の沈む波打ち際。例えどこにいようとクラレンスとアラバマにはお互いの存在こそが世界を成り立たせるための絶対的なキーなのだろう。
クリスチャン・スレーター演じるクラレンスは、エルビスに病的な憧れをもつ冴えない映画オタク。パトリシア・アークエットが演じるのは大人になりきれないコールガール、アラバマ。彼も彼女も、一人では何も起こす事が出来ないちっぽけな存在だ。でも。だけど。ピーチな彼女のために!クールな彼のためなら!
歴史的な名作ではないかも知れないが、大好きなシーンがあふれるフェイバリットムービーのひとつだ。主演の二人も文句なしだが、デニス・ホッパーら脇役達の名演も必見。随所に見られるタランティーノ節も最高だ。トニー・スコット監督、もっと撮って欲しかったなあ…
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