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ソルジャー・ボーイのmasaのレビュー・感想・評価

ソルジャー・ボーイ(1972年製作の映画)
3.7
ベトナム戦争後遺症を扱った、埋もれた名作。

ベトナム戦争を背景に、出兵前とは一変した反戦感情に直面し、名誉挽回と再生の機会を奪われた帰還兵の孤独、虚無感を描く。

兵役を終えて帰還したダニーら4人の陸軍兵は、仲間のキッドが所有する牧場での平和な暮らしを夢見て、復員センターからカリフォルニアに旅立つ。
みんなの貯金を軍資金にし、中古だが豪勢なキャデラックを買い、冗談を飛ばしながら意気揚々と約束の地を目指す彼らだったが…

終盤の彼らの戦闘シーンは虚しさしかなく、居場所を失った帰還兵たちの無軌道な暴走に心が痛む。
詩情漂う衝撃の幕切れもアメリカンニューシネマ特有で痺れる。
隠れた良作。
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