女郎屋の客人となった女勝負師(二条朱実)が、敵対勢力との縄張り争いに打ち勝つべく、裸一貫で色道勝負に挑む。廃娼運動を時代背景にして、遊廓内部のドタバタ喜劇を描いている、日活ロマンポルノ。
艶笑系の古典落語を思わせる、丁々発止のやり取りが全編に散りばめられている作品。短いイメージショットを挟んだり、舞台演出に切り替わったり、演者がカメラ目線で芝居を始めたりなど、時代考証無用の前衛的なスタイルを貫いている。
敵対組織のボス(丹古母鬼馬二)が送り込んでくる3人の刺客により、廓のナンバー嬢が次々と奪い去られてしまう。そこで、主人公が一肌脱いで、どーのこーのという物語。濡れ場では三者三様の性技が炸裂する。
曲者揃いの役者陣がエモーショナルにしのぎを削り合い、鑑賞者に至福の時間を提供してくれる。とりわけ、花街の人間模様に翻弄される、廃娼運動家(市川亜矢子)のコメディエンヌぶりが素晴らしい。