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バイスのOBのレビュー・感想・評価

バイス(2018年製作の映画)
3.7
観始め、オープニングロールでこの作品がブラピ率いるあの「プランB」製作だと知り、これはただの政治物や伝記物じゃないなと予感。

結果その通りで、まさしく王道(プランA)では無いひねりを効かせた映画の作りで、いわゆる今風のスタイリッシュな作品だった。

大きくは時系列で映画を進行させるが、過去と現在(もしくは複数の時間帯)を混ぜ合わせで見せていく斬新な構成。

一人称の語り口を多用した一つのドキュメンタリーを観ているような客観性の醸成。

映像も、敢えて過去の実映像を見せているような絵(実は創作)をちょくちょく挿入しリアルさを演出。

体型操作の達人、Cベイルは言わずもがな、Aアダムス、Sカレル、Sロックウェルといった達人役者たちの安定演技もあいまって、まさに、この時代の米国政治の裏側を目撃している様な感覚に陥った。

途中、伝記物によくある主人公の幸せそうな後日談からのエンドクレジットが本当に出た途端、「いや、まだ終わらない」と映画を続ける演出には笑った。
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