味噌のカツオ

生きてるだけで、愛。の味噌のカツオのレビュー・感想・評価

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)
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わたくし自身 それらの病に詳しいわけでもないけれど。
「彼女はうつ病だから、こうした方がいい」とか…そういうのないんだろうね。

ないというか、個人個人で症状や状態が異なるので、一般的な意味での正解はないんでしょう。
だから彼女の言葉にどう応えるか。彼女にどう接するかは(津奈木の立場で映画を見ながら)すごくヒリヒリしました。

あのカフェバーのみんなの懐の深さは、間違いなく優しくて暖かいんだけど。
それを理解したうえで跳ねのけてしまうという程だから。

正しい受け答えは見えないし、たぶん寧子自身も理解しきれていないと思うし。
でもきっと、寧子は寧子でもどかしさがあって。それがさらに自分を苦しめて…

早く走りたいのに膝をケガして走れない人。カラオケが好きなのに音程の取れない人。
いろんな人がいるのと一緒で、寧子も普通にみんなと、大好きな人とコミュニケーションを取りたいのに、心の病のせいなのか、それができない…ということなんじゃないのかな。

最後の最後、彼女は全てを脱ぎ捨てて、自分の言葉で思いの丈を伝えるけど。
だからといって 実際にそう接してみても、また怒りだしそうな気がする。

それぐらい難しい病だと思うし。
だから いろんな方法で(パートナーは)向き合うべきなんじゃないかな。

ただし、そのパートナーも彼女が一番助けてほしい時に、仕事が上手くいかないという状況が重なるというのもね…
とにかく いろんなことを考えさせられた。すごく見て良かった作品。

でも、こういう苦しさって、わからない輩には全く伝わらないんだろうな。
味噌のカツオ

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