愛り

生きてるだけで、愛。の愛りのレビュー・感想・評価

生きてるだけで、愛。(2018年製作の映画)
5.0
ヤスコにもツナキにもどっちにも
すごく共感できた。
2回目の鑑賞でようやく認められた。
認めたくなかったんだけど、
ようやく。
自分らしくいていいんだな〜って
思えた。カッコ悪くても。

「生きてるだけで、愛」が
あまりにも綺麗で美しくて(視覚的にも)
三島由紀夫が金閣寺で述べた
美が分かった気がする。
言語化することが難しい。
けれど確実にそこには美がある、
そんな心持ちになった。

自分の感性にとても響いてきて、
死ぬ気で生きようって思った。

ウォシュレットの話、
めちゃくちゃ共感できる。
たしかに怖い!水は怖い!
ほんと想像しちゃうもん。
ヤスコ、感性が豊かなだけだと思う。
なんであんなに共感されないんだ?
私もこういう発言よくするし。
うーーーん
感性とか想像力とかって、何だ?
なんでその発言、面白いね!
って思われないんだ?

あーそうか、敏感な人は、
ここで変だと思われてるって
気がつくのか。ヤスコみたいに。
私はヤスコの鈍感バージョン。
変人だって思われてることに
気がつかず話し続ける。
悪口言われてることも気がつかない。
これはこれでアウト。

ハンバーグのシーンもわかる。
あの、ふりっきっちゃう感じ。
私も、料理作ろう!って張り切った時に
朝5時から19時まで作り続けて
家族に食べてもらって
自分は1日何も食べないとか
あったなあ。
怖いんだよなあ。後から、
そういう自分に、ハッとする。
逆に、ヤスコみたいに何も
できない時もあったり。

こういう、ヤスコと似ている
部分を書く今も
すごく抵抗がある。
なんの自慢?被害者ヅラ?
悲劇のヒロインぶってんの?
こんな言葉が浴びせられそうで。
だから言わなきゃいいんだけどね。
でも、こういう映画があって
共感者がいるってことが
すごく救いだよなあ。

ツナキに関しても、
ほんとーーにわかる。
ヤスコがどれだけ手の掛かる人でも
どこかでヤスコに期待してる。
また、美しい景色を
見せてくれるんじゃないかって
自分に無い物を求める。
そしてヤスコが精神的に不安定で
自分を求めているということも
わかる。
でも、自分自身も大変で、
ヤスコに対してはイラつかせないように
接しようと常に気を配る。
疲れるよね。
疲れんだよ、でも、
ヤスコという人間が好きなんだ。
ツナキはヤスコをわかってる。
ヤスコの良さを一番知ってる。
でも、一緒にいて幸せかって
聞かれたら、幸せ…では、ない。

一瞬でも分かり合えたらって
言っていたけど
わたしは、常に分かり合えてる
2人だったと思う。
でも、だからこそ、
離れるべき2人。
多分、このまま一緒にいても
2人とも幸せにはなれない…

なんだか、長くなってしまったが、
趣里がインタビューで語ってた、
ヤスコは目を避けていた自分自身だ
って言葉。その通りだと思った。
そしてこれは
2人の関係性も、目を避けてきた
そのものだった。

痛いけど、すごく、
観れてよかった。
まだ、咀嚼しただけで、
嚥下できていない。
時間をおいて、また観たい。
愛り

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