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愛しのアイリーンのrosechocolatのレビュー・感想・評価

愛しのアイリーン(2018年製作の映画)
4.8
好きすぎて3回も観ちゃったじゃないか…。(笑)吉田監督の映画が好きすぎる感じになってきちゃうよ(笑)

過疎地域の、外国人の嫁取りって、かなり前から行われていて、それなりに問題提起はされているはずなんだけど、
こうして真っ正面から取り上げ、しかも映画のストーリーとして完成度も高く仕上げているところに惚れた…。

過疎地域で嫁が来ない、そこには様々な理由があるが、そこに親子の共依存を絡めるとこんな風になりますという上手い使い方。絵に描いたような不幸が出現している。そしてそれは家庭に留まらず、地域ぐるみでの不幸にも繋がっている悪循環の描き方はお見事。

アイリーンの楽天的な性格が、どこまで行っても閉ざしている岩男たちの社会と対照的なところも良かったですよね。
「オッヨネサーーンニ、ナリマシタ、デス!!!!!」もうあの場面であの言い方で、あのイラつき度がまたたまらなくいい(←ほめてる)。

愛のために日本に行きたがる、嫁を探してる割には、金なりセックスなりが先に来てしまう二重構造もまた切ないですね。
伊勢谷くんの問いかけと、彼の立ち位置もまた事実なのでしょう。国際結婚すればその後の人生も生まれてくる。そこまで考えて嫁探ししてるのか?当事者世代のことはわかっても、次世代にまで及ぶ問題について私たちは考えていない。こうして実例を見せてくれることで、問題の厳しさが体感として伝わってくる。

あとは過疎地域の女たちがいろんな意味で濃すぎる…。木野花さんたち老年世代もだし、パチ屋の女たちも。欲望を剥き出しにして、自らの上手く行かなさを満たし、社会に挑戦してるかのようで、これもまた見応えある。

まあとにかく面白かったですよ。まだまだ観に行きたい気持ちあるー
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