いののん

来るのいののんのレビュー・感想・評価

来る(2018年製作の映画)
4.5
奈良時代には神仏習合思想はおこっていて、そう考えると、神仏習合は1200年くらいの歴史がある。(国家政策によって、分離されたこともあるけれど。)長い歴史のなかで、ここに暮らす多くの人たちに、すっかり根付いていると言っても良いのではないだろうか。で、邪悪なものと対峙するには、神様も仏様も大集合していただく、という姿勢に、私は大いに協賛したいと思うのである。


各々が、お祓いを、文字通り命懸けで、自分のすべきこととして行う姿に胸を打たれる。松たか子さんは、もちろん凄いし、松たか子さんだけでなく、それぞれが自分のすべき祓いに専念している姿は美しいって思う。その一方で、自分のすべきことが何かなんてわかんないし、今、何が起きてるのか、何が何なのか全然わかんないけど、でも、だからこそ、直感に従って突き進んでいこうする人たちもいて、その対比が私はとても良いと思う。すべきことが何なのかわかっていて、それに邁進する人たちと、すべきことなんてわかんないけど直感で進む人たち。どちらもなくてはならなかったのだと思う。



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*女性陣はみんな素晴らしかった。松たか子さんは言わずもがな、小松菜奈さんも私にとってはベストアクト。黒木華さんもこの役にあってるし、柴田理恵さんも素晴らしい。ちさちゃん役の子が、今後この役に振り回されず影響をうけず、愛らしい笑顔のままで生きていって欲しいと切に願う。

*男性陣は、妻夫木聡は安定の演技。もうひとかたは(中略)。調子こいて言ってしまうと、この前みたいに、「あれ」がやって来てしまうからね。言っちゃダメ。

*お馴染みの役者陣なので、だから怖くない。これが、全然知らない役者たちが演じてたら、もっと不気味で、怖さは全然違うものになっていたと思う。とにかく、私は、自分がこの映画をちゃんと観ることができたことで、ここから怖い映画もいけるんじゃないかという気がしてきている。(数日たったら、振り出しにもどってしまうかもしれないけど)

*エンドロールの短さナイス!




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この映画のレビュー、祝詞や神仏習合などについてたくさん教えていただいたりとか、本当に色々な想い出があります。


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私は、松たか子さんに「バカな子」って言われたいです。
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