けいたん

あの日のオルガンのけいたんのレビュー・感想・評価

あの日のオルガン(2019年製作の映画)
3.8
吠え続けろ怒りの乙女!

1944年、第2次世界大戦末期の東京。品川の戸越保育所では園児たちの安全を確保するため、保母たちが保育所の疎開を模索していた…。


私は疎開について簡単に考えていた。
場所の確保がそんなに難しいなんて。疎開先の村人たちとの関係もややこしくて。

疎開先が決まっても生活に必要なものは殆ど揃ってないし、保母さんたちは文化的生活を目指し毎日頭を悩ませていた。

前半は保母さんの奮闘記という感じでほんわか観ていられたけど、東京大空襲の後からはどんどん戦争色が強くなった。

みんなの悲しみ、疲れ、怒り、ギリギリ感が伝わってくる。吠える楓。そんな楓の最後のシーンよかったな。


親と一緒にいて死ぬ方がいいのか、子どもだけでも生きていた方がいいのか。
私なら家族一緒にいたい。それは親のエゴだろうか。でも空襲であんな苦しい死に方をさせたくない、と思うと子どもだけ疎開させた方がいいのか…。でも安全な場所なんてどこにもないのかも、だったら一緒に。ぐるぐる考える。


私たち本当に正しいことをしてるんでしょうか…。その言葉に、今は誰にもわからないと言った所長。答えは生き延びて大人になった子どもたちにしか出せない…
みんな生きていてよかったかな。よかったよね。


今年は2本戦争映画を観ました。どちらもいい映画でした。