天豆てんまめ

芳華-Youth-の天豆てんまめのレビュー・感想・評価

芳華-Youth-(2017年製作の映画)
4.3
美しい! 素晴らしい青春映画!
こんなに真っ直ぐに心の奥を揺さぶる青春映画は久しぶり。中国映画としても近年でベストとも言える完成度だった。

「唐山大地震」で迫力あるパニックアクションと心揺さぶる人間ドラマを見事に紡いだ‘中国のスピルバーグ’とも言われるフォン・シャオガン監督が、軍の歌劇団である文芸工作団に所属した自らの若き日の青春を映画化して、アジア・フィルム・アワード最高の最優秀作品賞に輝いた作品。

物語は毛沢東政権の70年代、文革の時代。17歳のシャオピンがダンスの才能を認められ入団するシーンから幕をあけるのだけど、彼女はすぐに虐めの対象となる。

周囲となじめずにいる彼女の唯一の支えは、模範兵のリウ・フォン。この2人の長年にも渡る心の交流と彼らをとりまく文芸工作団の青春模様が眩しい。

他にも
気の強そうな瞳が美しいスイツはこの作品の語り部。

高貴で高飛車な歌姫ディンディンの清廉な美しさ。

少し意地悪だがリーダー格のシューウェンもまた麗しい。

とにかく女子がみんな清廉に美しい。
なぜかシャワーや水着シーンが多い 笑

一言で言えば中国美女勢ぞろいの見目麗しい青春大河ロマンだ。映像も壮大で迫力がある。

心に沁みる歌、踊り、楽器演奏と音楽に包まれる究極の‘男女共学’青春ラブストーリー。こんな青春送りたかった 笑

特に京劇とバレエを融合させた華麗で躍動的なダンスが目を見張る。

激しい戦線のすぐ傍らで、‘最後の楽園’のような青春を送る若者たちの日々と後半、激しい戦線に駆り出されるリウ・フォンが目にするもののあまりのGAP。草むらでベトナムとの闘いの怒涛さは「プライベート・ライアン」のような容赦なさ。そして、彼らのその後の別れや再会も胸に沁みる。

正直、中国映画から離れて久しいが、日本映画でこの映画に勝てる青春映画は、ここ10年以上現れていないと思う。いや「横道世之介」は良かったな☺️

映画館で観たかった。