青春の芳しき華
激動の時代に翻弄された若者たちのお話。
「さらば、我が愛 覇王別姫」が好きな俺にとって、この作品も心を打たれちゃいましたね。
中国作品の中でもなかなか攻めた描写も多く、よく検閲を通ったなというのが鑑賞直後の印象。
軍の歌劇団での活動。
テレサテンの曲から始まってしまう悲しい事件。
前線での悲惨な状況。
その後の人生。
心に傷を負い、なかなか馴染めないシャオピンと器用で人気者のリュウフォンを中心に描かれていきますが、あまりに話が壮絶でアートワークの華かさとのギャップに面食らった。
そして突然描かれる壮絶な戦闘シーンは予想外すぎて胃痛。
このような状況下だからこそ、心の支えはとても大事。
大切なもの。
それを失った時の絶望。
その部分がこの作品で1番刺さった。
中盤の山場となるシャオピンが抜け殻のようになってしまうシーンで俺は泣いた。
阻害され新たな希望を求めて行動するも更なる苦難が待ち構えており、居場所も無く自らを受け入れてもらえない環境。
貴重な支えも絶望に変わり、その場から逃げたいと思う気持ち。
切なすぎて本当に言葉を失った。
話の紡ぎ方もとても良くて、映画の世界に完全に入めちゃう完成度。
結末に描かれるその後はちょっとわざとらしさを感じだが、ここで提議されるメッセージは生き方について考えさせられる素晴らしい余韻を感じました。
