ノラネコの呑んで観るシネマ

ヘレディタリー/継承のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

ヘレディタリー/継承(2018年製作の映画)
4.4
なるほど「継承」ね。
不快指数MAX。
真綿で絞め殺される様な、精神的にジワジワくるオカルトホラー。
一家の祖母の死から始まる物語。
祖母は娘であるトニ・コレットと長年に渡り折り合いが悪かった。
コレットは葬儀の後で祖母の残した奇妙なメモを見つけるが、以来これでもかというくらい、一家には不幸が降りかかり、精神的に追い詰められた彼女はスピリチュアルな世界へ救いを求める様に。
彼女の職業がミニチュアハウス作家で、自分の家も作っているのが面白い。
母にコントロールされてきたと感じているコレットは、虚構の世界を自分の手で作り上げ、時に現実と虚構は交錯してゆく。
全編にリード、ミスリード取り混ぜた伏線が配されて、不幸のスパイラルに落ちた登場人物だけでなく観客の予想を大いに惑わす。
作品コンセプトから言っても、本作に一番近いのは「哭声」かも知れない。
ただ怖いだけでなく、クライマックスになるととぼけたブラックジョークも顔を出す。
終盤まで全く先の読めない物語ゆえ、ネタバレを回避して早めに観るのが吉。
血は少ないがホラー耐性はかなり必要。
ブログ記事:
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