とえ

パッドマン 5億人の女性を救った男のとえのレビュー・感想・評価

4.5
感動した!!

1人の愛する女性を幸せにするために必死になった結果、5億人の女性たちを救うことになった男性の話

2001年当時のインドでは、生理用ナプキンが高級品で買うことができず
女性たちは、毎月、生理の期間になると「穢れた者」とされ、家族とは違う部屋で暮らさなければならなかった

ちょうどその頃、結婚したばかりのラクシュミは、愛する妻がその期間に汚れた布を巻いて生活しているのを見て、彼女の健康状態を心配し、衛生的なナプキンの開発を始める

日頃、日本で暮らしている私たちが、当たり前だと思っていることも、国が変われば、それがとても贅沢なことだと分かる作品

この物語は、インドで生理用ナプキンを普及させることに成功し、世界から尊敬されることになった男性 ラクシュミのお話

何より、主人公ラクシュミの想いに感動した
彼は成功したくて、ナプキンの開発を始めたのではなく
愛する妻に楽で健康な生活をさせてあげたいと思って始めたことだった

誰よりも、妻に喜んで欲しかったのだ

サクセスストーリーと言えば、そのスタートは、貧しい生活から抜け出したいとか、周りの人間を見返してやりたい
という、サバイバル精神が原動力になりがちだけど
ラクシュミの場合は「愛」が原動力になっているのが良い

その女性たちへの「愛」があるからこそ、周りの女性たちも、彼の想いに心を動かされる

しかし、それにしてもインドの男性たちの女性たちへの理解力のなさには呆れてしまう

宗教的な問題もあるだろうし、長い間、男尊女卑だったこともあるだろうけど、それにしても、この時代に生理中の女性は穢れてるとか、ラクシュミを恥さらしだと罵るとか、かなり想像を超えてた

大切なのは、それでも、どんなに笑い者にされても、
ラクシュミは、最初の「安くて衛生的なナプキンを作りたい」という思いを最後まで諦めなかったこと

その結果、ナプキンの普及だけにとどまらず、女性たちの活躍の場を広げることにもつながっていく

おそらく、これが、始めから金儲けのために始めた事業だったら、これほどまでに成功を収めなかったように思う

それ以前に、目の前にいる人を助けたいと思い、必死になったからこそ
周りの人たちにも助けられ、観客の心を揺さぶる作品になっているのだと思う

5億人の女性たちが、毎日、外で働けるようになれば、インドは世界一の国になるとラクシュミは笑顔で宣言していた

彼が世界的に認められた結果、インドの男性たちの意識改革が起きれば、それも夢じゃないと思った

「愛」は偉大なり
とえ

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