ノラネコの呑んで観るシネマ

パッドマン 5億人の女性を救った男のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

4.8
なにこれムチャクチャ面白い!
女性の月経が穢れとしてタブー視され、生理用品が普及しないインドで、愛する妻のため安価なナプキンの手作りマシンを発明した男の物語。
この人、とにかく奥さんが大好きで、彼女が不潔な布を使って生理をしのいでいるのが心配でならない。
市販のナプキンは高すぎて買えないので、なら自分で作ろうとするのだが、モノがモノだけに奥さんを含めた女性たちから総スカン。
助けたいと思う相手からの拒絶にも、正しいことをしたいという信念はブレない。
しかし、猪突猛進気味の主人公は、やり過ぎて遂に全てを失ってしまう。
普通の映画なら、どん底からの復活で終わるのだが、本作はここから波乱万丈山あり谷ありが何度も繰り返される。
それだけ、女性の生理に関するタブーが深いということだろう。
「ダンガル」もそうだったが、インドではこういう因習を打破する“変人”こそがヒーローなんだろうな。
実話ベースで、主人公がパッドマンになった顛末はだいたい事実の様。
ちょい危なげなロマンスの香りなどは、だいぶフィクションが入ってるんだろうけど、まあその辺りを含めてよく出来てる。
しかし、本作に真に感銘を受けるのは、彼が発明を使ってやったことだ。
詳細はネタバレ自粛するが、これが凄いんだ。
予告編にも一部出てくる、終盤に成功した主人公が国連で片言の英語を使ってスピーチするシーンがあるのだが、内容が素晴らしい。
おそらく、モデルになった本物のパッドマンが語ったものだろうが、ここだけでも観る価値がある。
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